やんばるの森通信 No.29 平成16年7月20日
亜熱帯ジャングルカヌー周遊1日コースツアー風景
夏本番、山に川に海に遊ぶ時、安全に対する準備はOKですか?
「夏休み」が近づくと、子供の頃、夏のキラキラした光の中でなかで、やんばるの 山、川、海に遊んだ光景を思い浮かべ、その頃の体験から、自然を求め家族で国頭村 を訪れる人も少なくないと思います。子供たちにとって大切な時間を良い思い出とす るためにも、マナーや事故には気をつけたいものです。今号では、国頭地区消防本部 より協力頂き、昨年以来発生した事故について幾つかの事例を紹介してみたいと思い ます。
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水難や、落下事故が多いタナガーグムイ救助には多くの人・機材・時間が必要で
す。
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遊歩道が整備されている比地大滝ですが体調不良やケガにより歩行不可能な場
合、かなり困難な救出作業となります。
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【事例1】与那覇岳頂上で迷う。
幸い、通報場所が分かりやすかったため、早い救助に結びついた。 知らない山に一人で登山したことが遭難に繋がった。
【事例2】沢登りの途中に落下、足を捻挫する。
救助隊員により、担架に体を完全に固定し、沢を登り林道から救出した。
【事例3】釣りの最中に落下。
父親が投げ入れたクーラーボックスに掴まり、 漁船に乗った救助隊員により救助された。|
◆他、幾つかの事例も話していただきましたが、共通することは、事故が起き た時の事を想定することなく安易に山や海に入っている事です。 国頭村は、山、海とも道路から離れたフィールドが多く、一度事故が 起きるとその瞬間から孤立状態となります。 万が一の事を念頭に入れた十分な装備と現地の情報収集を心がけましょう。 |
ハチ・熱射病・熱中症に注意ハチの被害が増えています。ショック症状が強い場合には命に関わることがあ ります。また、行楽客(特に海)の熱射病による救急隊の出動、仕事中の熱中症 もこれから増えていきます。十分な水分補給、日よけなど体調管理に努めましょう。 |
イベント情報
第17回国頭村まつり
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人材育成講座だより
第5回オーストラリア視察研修旅行に参加して
今回で5回目となるオーストラリア視察研修旅行6月10日から9日間の日程で参加し ました。出発日、沖縄地方は台風の接近のため天候が悪く、本当に行けるのか? 心配していましたが、なんとか飛行機は沖縄を飛び立つことができました。が、 しかーし今度は、沖縄に帰るその日またしても台風が………。と、行き帰りとも台 風に送られ、迎えられなにかと台風に縁のある視察研修となりました。
さて、現地オーストラリアでの主な訪問先は、世界最大の砂の島「フレーザー島」 とその島で運営するリゾート施設。それから、ブリスベン周辺の「森林公園」やボ ランティアスタッフで運営する「オスプレイ環境センター」ブンダール湿地センター などです。
それぞれの場所で展開される、持続可能な自然資源の利活用や施設整備、イン タープリテーション等について参加メンバーそれぞれの視点からまとめたレポー トを含め、「第5回オーストラリア視察研修報告書」を作成中です。視察内容の詳 細について、興味のあるかたは国頭村ツーリズム協会までお問い合わせ下さい。
7月29日から人材育成講座が開講します。
久高将洋
沖縄県エコツーリズム推進の動き
みなさん「エコツーリズム」と言う言葉を知っていますか? この欄では沖縄 県が推進する「エコツーリズム」についてわかりやすく説明したり、沖縄県内の 動きについて紹介していきます。
沖縄県において「エコツーリズム」という造語がメディアを通し見聞きされるよう になって久しい。世をあげて環境を意識しなければならない時代であるから、ニッチ (niche:隙間)産業の創設とばかりにことを短絡に運び、エコロジー(Ecology:生 態学・環境保護)という言葉から「エコ」だけを抜きとり、ツーリズム(観光)と結 びつけ、各々の立場で実に都合のいいように「エコツーリズム」を解釈し、自然を手 前勝手に利用する観光としたところから沖縄県を筆頭とした日本におけるエコツーリ ズムは歪み始めた。 このことは比地大滝を初めとする国頭村内にて展開されている 他地域業者のエコツーリズムのプログラムを見ればよくわかることである。
エコツーリズムという言葉のもとを正せば、例えば「これまで自然環境を壊すだけ の生業が集結する地域」と、みられていたやんばるなどにおいて、自然環境の保護と 生活のための収益の確保という、これまでの対立の両極が地域の生活の持続性を考え 協調しあい、地域住民が主体となり生業の転換を図る新たな地域おこし」ということ である。
このたび沖縄県により発刊された「沖縄県エコツーリズム推進計画」という表題の 冊子で県は、沖縄県におけるエコツーリズム推進の現状と課題として
- 自然・文化環境の保全
- 魅力あるエコツーリズムプログラム
- エコツーリズム人材の育成
- 安全対策への取り組み
- 利用者への情報の充実
- 地域主導の情報発信
- エコツーリズムを推進するための拠点施設
- エコツーリズム推進体制
の八項目をあげているが、一部行政機関ではあったにせよ、県が行政をあげエコツー リズム推進の取り組みを始めほぼ十年になろうとしている現状と投入された予算から するとこのレベルにはいささか気が重くなる。なぜこういう結果を生み出してしまっ たのか?原因ははっきりしており、一言でいえば「地域における問題解決のひとつの 手段としてエコツーリズムの導入があるのに、推進にあたって地域と協調しあえなか った」ということである。
今年度からの事業は、このことを反省しある意味仕切り直しでもある。沖縄県のこ の後のエコツーリズム推進にあたっては地域主体で活動を進めてきた国頭村の動向 が、全国的にも世界的にも注目されている。 国頭村が目指す持続的なツーリズム 展開には産業界・行政・大学などの研究教育機関・自然保護団体を含む住民や民間・ ツアー参加者としての観光客からのご意見が不可欠です。皆様の率直なご意見を国 頭村ツーリズム協会までお寄せいただきますように。
国頭村ツーリズム協会顧問 久高将和
馨おじさんの比地大滝だより 〜動植物を大切に〜
梅雨もあけ、巣立った小鳥たちがキャンプ場の周りを飛び交っている。 やがて旅立つ(10月初旬)であろう夏鳥のアカショウビンなどはエサ取りに励んで いるようである。夏は人も野山に行く機会が多くなる。比地キャンプ場でも例年通 り大滝へ行く人々、キャンプを楽しむ人々が訪れる。
夏は多くの生き物たちも活発に活動する時期でもある。数日前遊歩道周辺の草刈り 中、ガラスヒバやヒメハブ、リュウキュウアオヘビとでくわし少々あわてた。また、 土手の草刈り中には、アシナガバチの大群に襲われ太股を一撃されたまらずに退散し た。本土では7月〜10月を中心に年間30人がハチにさされ死亡している様である。 その数は毒ヘビやクマに襲われる犠牲者より多いとされている。ハチが刺すのは、 外敵から身を守るためである。ハチは一度刺すと、「フェロモン」という匂い物質を 発する。その匂いの元へ数十〜数百匹が襲ってくる。
自然界には、ハチの他に色々な生き物がいる。ひどい目にあったとは言え、彼ら に出会うことが出来ること自体も、このフィールドの自然度の高さを表している。 やはり、自然に入るときには、おじゃましますという気持ちで行きたいものである。
比地大滝への遊歩道沿いでは、キノボリトカゲなど多くの小動物と出会うことが できますが、管理棟入り口に書いてある通り、比地大滝では生き物の採集を禁止し ています。観察した生き物は、その場でかえしてあげて下さい。次に訪れたときに も比地大滝の仲間たちに会える様、愛情をもって彼らと接して下さい。
国頭村ツーリズム協会ガイド 大城馨
美ら海どぅしぐわー 〜国頭、海の生き物たち
ゴッホの描いたヒマワリの様な、デフォルメされた太陽の様なオニヒトデは、近 年になって人々に嫌われる存在になっている。その形態に不気味さを覚える原因は、 「悪」という刷り込みによる場合が多い。しかし、何の情報も持たずに見つめれば 案外ポップで可愛らしく見えるかもしれない。
棘には毒があり、刺されれば猛烈な痛みを伴う様だが、オニヒトデが好き好んで 襲ってくるわけではない。異常発生をして珊瑚を食い尽くす行為も、オニヒトデ出 現以来100万年もの間繰り返されてきた自然の営みである。その都度、珊瑚礁は再生 を繰り返し成長してきたのだろう。地球のサイクルが正常であれば、珊瑚は雑草の 様に着実に子孫を残せるはずだ。
珊瑚礁は地球の大切な宝であり、それを破壊に導いているのは、埋め立て、護岸 工事、海水温の上昇富栄養など、どこから見ても、人類が何らかの原因を作ってい る様に思えるのは私だけ?
ダイビングなどのレジャー産業が盛んになったお陰で、オニヒトデが珊瑚を襲って いる直接的な映像が多くの人々の目に飛び込んだ。結果、「オニヒトデ=悪」という とてもわかりやすい結論が出されてしまった。とんだ濡れ衣を着せられたオニヒトデ の卵や珊瑚のポリプ以下の大きさの幼生は逆に珊瑚に食われたり殺されたりしている と言うのに。本来の正常なサイクルであれば、伸びすぎたり、大きくなりすぎた珊瑚 の床屋さんの様な役割も担っているのである。
駆除に何億円使ってもいいけど原因究明の方が先なんじゃない?人類と自然の共生 の為には我を通すばかりではなく、折り合いも必要。近代化の利便性も自然も全てを 手に入れる方法は絶対にあるはずよ。
まだまだ解明されていない自然界の生き物たち、どんな生命でもいらないものは無 いはず。何かは何かの役に立ち支え合い命を繋いでいるのにね。
ミーネーネー
クイナ旅便り
やんばるの森通信28号で募集した「奥ヤンバルの里茶摘み体験モニターツアー」 を、予定通り7月3日に実施しました。自分たちで摘んだお茶を煎りはじめしばらく するとお茶の香ばしい香りがたち、最後にみなそれぞれの手作り茶をテイスティン グ……「おいしー」と声をあげていました。参加者からは「貴重な体験ができた 」、「宿泊しながらゆっくりと体験したい」、「さらに工夫すればもっとすばらし いツアーになると思います」などの声が寄せられました。
7月11日には奥集落散策ツアーを実施しました。茶摘み体験と同じく奥区の方がガ イドにあたり、参加者から「このような地元の人にしか出来ないツアーに参加でき て良かった。もっと宣伝して地域の活性化につなげてほしい」との意見がきかれまし た。
6月22日、7月2日の両日、佐手小学校の総合学習を実施しました。今年のテーマ は「海」ということで、22日には「森と海のつながり」について学んだり、ゲーム をしたり、楽しい時間を過ごしました。2日は海に出てイノー観察とシュノーケルを 実施、子供達はそれぞれいっぱいの発見をし、今日1日学んだことをまとめ、発表ま で行いました。2年生3人組のがんばりと、それを励ます上級生の姿が印象的でした。 今後も海の観察を続けることで、もっと多くの発見を体験して下さい。
8月2日には、JAおきなわ主催で辺土名小学校5年生のパインアップル収穫体験 が実施されました。国頭村ツーリズム協会も共催で参加し、当日の進行を行い小 学生たちと楽しい時間をすごしました。
生き物図鑑 イシミーバイ
イシミーバイ(カンモンハタ)、釣りをされる方ならこの名前を聞くと舌なめずり をする方が多いと思います。沖縄のさんご礁周辺に多く住むハタ科の魚で、味噌汁や 煮つけ、から揚げと色々な料理法で食べることが出来ます。リーフ内でのルアー (疑似餌)釣りや餌釣りでは人気のある対象魚で、普段はサンゴの影や岩陰等に潜ん でいて、目の前60センチ以内を通る動くものを捕食する魚ですが、よ〜く観察する と、クリッとした目をし、案外可愛げのある魚です。
横顔はチョッと、ブスッしたおじさんの顔に似ていますが、そこが憎めないキャラ クターだと思います。皆さんもこの夏は、さんご礁の中でいろんな魚たちを観察して みませんか? きっと多くの面白い発見があると思いますよ!
国頭村ツーリズム協会ガイド 崎濱秀人
編集後記
7月16・17日には森林組合、国頭村役場、国頭村建設業協会のクリーンアップ作戦 が実施され、それぞれ25名、70名、170名合計265名の方々がボランティアで参加しま した。なかなか手の付けられない様な箇所も、持ち前の機動力を発揮し村内美化に貢 献して頂きました。作業にあたられた方々、ありがとうございました。
森のための気配り
- 動植物を保護しましょう。
- 火の扱いは特に注意すること。
- ゴミ処理は適切に行うこと。
- フィールドに思いやりを。
- トイレは適切な施設を使用すること。
- フィールドにペットを連れ込まない様に。
- 流れを汚さない様に。
- キャンプにおいては静かに。

