やんばるの森通信 No.30 平成16年9月20日
やんばるの「秋」の入りを告げるハシカンボク
五穀豊穣と豊漁を祈る安田の「シヌグ」
国の無形重要文化財に指定されている国頭村安田の伝統行事「シヌグ」が8月24日、 25日に行われました。今年は「シヌググヮー」にあたり、カミンチュのウガンの後、 子供たちが参加して、畑を荒らすイノシシ狩りを表現した「ヤマシシトゥエー」、 子供たちが魚に扮し追い込み漁を表現した「ユートゥエー」が行われました。日が 落ちてきたころからは、シヌグザーの中心に竹で作った松明が置かれ女性たちの 「ウシンデーク」の舞が始められました。翌、25日には子供相撲や「ウシンデーク」 が行われました。安田のシヌグ祭は本来の形を残す唯一のものとして、地域の方々 の努力によって今に伝えられています。
イベント情報
夜の鳴く虫観察会 定例観察会(事前予約要)10月の観察会では、美しい音色で鳴く虫の声に耳を傾け、夜の虫たちの観察を 行います。
※次回の観察会は12月に実施します。 |
奥ヤンバルの里茶摘み体験(事前予約要)国頭村奥区の茶畑をフィールドにモニターツアーの参加者を募集して おります。
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第3回国頭村かかしまつり
今年度の「国頭村かかしまつり」の開催日が決まりました。 皆さんのユニークな作品をお待ちしております。
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人材育成講座だより
東部地域を対象とした人材育成講座が始まりました!
国頭村ツーリズム協会では、村民を対象として持続可能なツーリズムを担う人づく りを目的とした人材育成講座を半年間にわたり開講しております。7月29日から始ま った講座の様子をダイジェストでお伝えしましょう。
7月31日は、グループに分かれて安波区をじっくり観察して歩き記録する フィールドワーク(現地調査)を実施しました。今まで気づかなかったことを発見し 整理する機会となり、楚洲や安田、奥での今後の調査が待ちどおしいかぎりです。 8月は、「なぜ、やんばるにしか棲んでいない生き物がいるのか」を紐解くカギを学 び、やんばるで起こる野外の事故の現状と安全対策の基本を確認しました。そして、 国立公園のしくみ、その保全と利用のあり方や利活用をめぐる問題について確認し、 国頭村の産業の現状と地域活性化につながるツーリズムの課題について情報を共有し ました。9月は、今帰仁村歴史文化センターで12年間続く「ムラ・シマ講座」の担当 員から、シマの歴史や成り立ちをおさえながらシマと自分が親しくなっていく方法を 伺いました。受講者一同熱くうなづきながら、自分が今すぐ出来ることを心に抱きま した。
今年度の講座の特長は、東部地域(奥、楚洲、安田、安波)が会場であることです が、これは昨年度に村役場が実施した「東部地域自然資源活用プログラム策定事業」 における地域の皆さんの声が反映されたものです。役場が主催して当協会が総合プロ デュースにあたり双方が密接に係わり合いながら創り上げていく講座は、パートナー シップ(協働)事業の出発点といえるでしょう。
人材育成講座担当 大島順子
沖縄県エコツーリズム推進の動き
今回は、エコツーリズムをわかりやすく理解していただくために Q&A方式でお答えしましょう。
Q1 最近、耳にする「エコツーリズム」って何ですか?
A1 訪れる地域の自然や文化に時間をかけて触れ体験をすることで理解を深め、 参加者が自然環境保全の意識や地域文化を持続的に継承する精神を育むことで 自然生態系や地域文化の持続的活用を図る直接体験型観光のことをいいます。
Q2 今までのツアーとどこが違うのですか?
A2 これまでの観光の多くは、バスガイドや添乗員が観光地の案内をしていた のですが、エコツアーでは地域住民がその役割を担うことが望ましいとされてい ます。つまり、地域住民が積極的に観光に関わることで地域の観光資源(自然や 文化など)の保全を図り、同時に安定した収益を得ることを目指した地域主導型 のツアー言えます。
Q3 エコツアーでは必ず山とか海に行くのですか?
A3 山・川・海がフィールドとなることが多いのも事実ですが、地域の歴史や産 業・生活文化など、それぞれの領域に詳しい地域の人達がエコツアーに関わるこ とによって、集落内でツアープログラムを展開することも可能です。地域のお年 寄りが知識と技量を活かしガイドとして関われるのもエコツアーです。
Q4 エコツアーには参加人数の制限がありますか?
A4 エコツーリズムは、ツアーとして訪れる現場に悪い影響を与えないように十 分な気配りを行うことで成立する観光です。案内する人(ガイド)が目配りでき る人数ということで、一人のガイドに15人位までの参加を上限としてツアーを展 開するのが一般的な様です。
Q5 エコツアーは普通のツアーに比べ料金が高いのですか?
A5 普通のツアーと比較すると「高い!」と思われがちですが、エコツアーは 少人数参加でゆったりとした時間の中で、地域の自然や文化を直接体験する観光 です。ツアープログラムの中身をよく比較すると「割安!」というのが真実では ないでしょうか。
国頭村ツーリズム協会顧問 久高将和
馨おじさんの比地大滝だより 〜自然界の気象予報士たち〜
昔の気象予報士は、自然界の生き物たちであった。キャンプ場付近で高い所に 作られているハチの巣を見つけ、今年は8月までに、沖縄本島を直撃した台風 は1個もなく今年はもう襲って来ないと思っていたが、9月5日〜6日にかけて台風 18号の暴風雨が吹き荒れた。予想外であった。
気象衛星が打ち上げられ、おかげさまで毎日天気の様子がわかる様になってき た。台風が向かって来ると聞けば無防備な農作物や、自然界の樹木などは、台風 のなすがままであるが、人々は前もって対策も出来る今日である。
気象衛星のない昔の人は、台風や大雨をどの様にして予測したのだろう…… そこには、自然と共存する中で身に付いた生活の知恵があった。つまり、自然界 の生き物の営みから、その日、その年の天候を予測し自然災害に備えたのである。
例えば、
- ツバメが低く飛ぶ時は雨又は風
- アリが住宅に入るときは風雨の前兆
- 赤ハチが、高い所に巣を造る年は台風なし、低い所に造る年は多い年。
- いつもの年よりデイゴの花が多いときは台風あり
- カニが波打ち際から離れて陸地に巣を作ると台風
地球環境の変化がクローズアップされ、自然環境への関心が高まっている今日、 自然界とうまくつき合い学び、我々に「ことわざ」を残した先人達が、自然とは 何かと問いかけている様に思えてならない。
美ら海どぅしぐわー 〜国頭、海の生き物たち
小さな魚は大きな魚に食べられるという弱肉強食の世界でホンソメワケベラは 大きな魚に癒しのひと時を与える術を身に付け、しかも食事と仕事を同時にこな す要領の良い世渡り上手です。
魚の世界では「ホンソメワケベラ・エステサロン」と言えばビッグネームで、 たまに他の魚の稚魚などが真似をしてちょっこっとバイト(?)をする事もありま すが、人間で言えば子供の「肩たたき券」のようなものでプロの技には遠く及ばな いようです。間に合わせの気休めといったところでしょうか?
また、どんな世界でも有名になれば偽者が現れます。ニセクロスジギンポはホン ソメワケベラそっくりな体で客引きをしてお客様の体を食べてしまいます。 怒ったお客様は追いかけますがすばしこいニセクロスジギンポはさっさとサンゴや 岩穴に逃げ込んで「ごちそうさま♪」
そこまでの人気ですから「ホンソメワケベラ・エステサロン」はいつもお客様で いっぱい。特に水温の高い夏から秋にかけては寄生虫も付き安い時期なので、沢山 の魚達がお行儀良く順番待ちをしています。
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上がホンソメワケベラ、下がニセクロスジギンポ、目つき以外は殆ど同じに見えます。
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自分の順番が来ると進み出て「今日は鰓が痒いのよ〜」「歯に何か挟まったみた い」とか、「背中の・・あーそこそこ!」と体を預けます。 魚にも感情表現のようなものがあり、体色を変化させますが、この時の魚達は皆一 様にゆったりと水中に漂いながら幸せ色を輝かせます。あまりの気持ち良さに我々 人間が近づいても逃げ出す事すら忘れているようです。
このようなエステサロン(クリーニングステーション)は数メートル間隔に離れ て営業していますが、小さな雌が営むお店はあまり人気が無く忙しい時期には大き な雌のお店に借り出される事が度々です。
ミーネーネー
クイナ旅便り
8月22日には第17回国頭村まつりが開催されました。国頭村ツーリズム協会では 国頭村まつり特別企画としてツアーを開催、県内外から参加した20名が森のトレッ キングと安波ダム湖面のカヌー探検でやんばるの森を満喫しました。京都から参加 された男性は「こんなに美しい風景に出会うことが出来、感激しました。また、 やんばるの森を訪れます」と感想を話してくれました。
7月15日、国頭中学校1年生の総合学習指導を北部ダム事務所の職員の方と共同で 実施しました。安波ダムの施設見学とダム周辺の自然観察を中心に、カヌー体験や 湖面見学を行いダムとその周辺環境について学びました。
9月7日、今年度2回目の美化清掃活動を実施しました。比地大滝をフィールドと して利用しているツアー事業者に呼びかけ、自分たちの仕事場である「比地大滝の 遊歩道沿い」と「与那覇岳の林道」の清掃をしました。当日は14名(5事業者)が 参加し、遊歩道の下に潜り込んで空き缶を拾ったり、遊歩道沿いの落ち葉を掃いた り、台風で林道をふさぐ木を片づけたりしてフィールドの良好な環境と景観の保持 に努めました。
7月23日、古波蔵児童館の子供たちと一緒にナイトウォッチングを楽しみました。 ホタルを始め、オオゲジやコブナナフシを観察したり、全員で懐中電灯を消して真っ 暗闇の中でホタルや光る葉っぱを見つけたり、あっと言う間の2時間が過ぎました。
生き物図鑑 マダラコオロギ
皆さん、秋の音色を聞くことがありますか? 河原や広っぱ、家の庭先等で暗 くなってから耳をすますと「ガチャ、ガチャ、ガチャ」「ヒィ、ヒィ、ヒィ、ヒ リリリリン」などと、秋の虫たちの鳴き声を聞くことができます。
マダラコオロギは「ツイッ、ツイッ」と地味な声で鳴きます。マダラコオロギ の一つの特徴は、クワズイモの葉を食べることです。クワズイモの樹液には毒成 分が含まれており、マダラコオロギ以外の生き物が食べることができないと言わ れています。彼等は、毒のある植物を食べることで、他の虫たちと競争すること なく食べ物を得ることができると言うことですね。皆さんも近くの草むらで秋の 虫に耳をかたむけてみませんか?
国頭村ツーリズム協会ガイド 崎濱秀人
編集後記
観光のトップシーズンにあたる夏休み期間中は、多くの旅行者が国頭村ツーリ ズム協会の主催するツアーに参加して下さいました。これから、ますます国頭村 の自然環境が注目される中、私たち協会が成すべきこともまた増えていくことを 実感する夏でした。
Yuhji
森のための気配り
- 動植物を保護しましょう。
- 火の扱いは特に注意すること。
- ゴミ処理は適切に行うこと。
- フィールドに思いやりを。
- トイレは適切な施設を使用すること。
- フィールドにペットを連れ込まない様に。
- 流れを汚さない様に。
- キャンプにおいては静かに。

