解 説
ヤンバルクイナが、1982年に新種として記載される数年も前から、やんばるの人々は本種を「ヤマドゥイ」や「アガチ」という名前で知られていたようです。
このクイナは、飛べないとされており、地上を素早く走り回れることや夜間には樹上で休息すること、遠くまで通るような甲高い声で鳴き交わすなど、やんばるの深い森林環境にうまく適応した習性をもっています。
林道建設や森林伐採・農用地の拡大・ダム建設により、棲息地が漸減しており、棲息地の分断・孤立化・野生化したイヌやネコ、マングースなどの外来種の捕食、交通事故、側溝への雛の落下が大きな脅威となっています。
鳥類のうちでクイナ科の鳥は最も絶滅しやすいとされています。さらに17世紀以降絶滅した18種及び亜種のクイナは無飛翔力で島嶼性であった点を考慮すれば、分布域や個体数が限られ、地上性の本種は環境変化や人為的に移入された捕食者の出現に対する耐性は極めて弱いと考えられます。