解 説
ヤンバルテナガコガネは、1983年に発見され、1984年に記載されたわが国最大の甲虫です。
同属の昆虫は台湾、中国大陸からマライ半島、インドにかけて分布し、近似種は中国の福建省に分布しています。そのことから本種の祖先は、沖縄諸島が大陸と陸続きであったころに渡来し、今日まで生存しつづけてきた遺存種だとされています。
そこでこの種は、琉球列島の昆虫相成立の過程を解明するうえで貴重な存在であること、生息地が限定されて、個体数が少なく、乱獲の恐れがあること、などの理由で沖縄県の天然記念物に指定され、1985年には国指定の天然記念物となりました。
森林伐採、ダム建設、ゴルフ場建設による森林の破壊が本種にとって最も大きな脅威になっています。また、林道建設や下草刈りによる森林内の乾燥も大きな影響を与えていると思われます。
さらに森林の奥深くまで張り巡らされた林道により、密猟も増加しており、繁殖に適した数少ない場所が採取によって破壊されることも無視できない問題になっています。